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【寄稿】特性のある子とIT教育の関わり

2018年3月からプログラミング教室を始め、はや2年が過ぎました。

はこだてキッズプログラミング教室「自由研究研究所」では、開校当初から精神的に特性のある子などを積極的に受け入れています。

 

特に小児メンタルクリニックの医師との連携などもあり、自閉症の子を多く受け持っています。

今記事では、これまでそのような子の指導をしてきた中で、気づいた点などを共有したいと思います。

 

自閉症の特徴

なんといっても自閉症の特徴としては、こだわりが強いことが挙げられます。

当教室の生徒もこだわりが強い子が多く、制作する作品も特化して描画のクオリティーが高いなどの特徴がみられます。

 

プログラミングソフト「scratch」での作品制作でも、既存のキャラクターを使わず、自分で描画したキャラクターなどを使ってゲームを制作したりなど、世界観をしっかり持っている場合が多く、オリジナリティが溢れています。

 

プログラミング教育はそのような子の特徴・特技を活かせる、学習技能の一つとして特に優位性が高いものであるとみています。

 

自閉症などの子はコミュニケーションを取るのが難しいことも多く、自己表現に制限がかかってしまいます。

しかしscratchなどのソフトを使ったプログラミングであれば、描画・作曲などを始めとした、こだわりを存分に生かせる要素がふんだんに入っているため、とことん思いをぶつけることができます。

 

また、絵画などとは違い作品に動きがつくため、第三者なども作品の評価がしやすく、単純に大人が見て「スゴイ」と思わせる作品を多く作成したりします。

 

自閉症などの子がプログラミングをやることで一番得られる効果として最大の恩恵はそこだと思いながら私自身指導をしています。

 

自己肯定感を育むのが大事

児童の育成にとって一番大事な要素は「自己肯定感」を育むこと。

 

私自身も発達障害の子を持つ親として、育児でいろいろ考えながら何を優先すべきか思慮してきました。

 

そういった特徴のある子は、周りから奇異の目で見られがちです。

一般的には差別をしないよう、すべての児童に理解を得てもらいたいところですが、大人の社会でも様々な差別が存在するため、抑えることは不可能であると言えます。

 

そのような中で、少なからず奇異の目で見られているということを子供たち自身も自覚しており、もともとコミュニケーションに積極的になれなかった子が、さらに自己表現を抑え込んでしまうということも実際の子供の気持ちとして、親御さんから聞き取ることもあります。

 

そういった子を指導するうえで、私自身一番大切にしていることは「否定をしない」ということです。

そして、興味を「煽る」ということも実践しています。

その子の特徴にあった課題を促し、今できた作品にこういった効果を加えるにはどのように改造すれば良いかなどの課題を投げかけ、作品としてのクオリティを上げてもらうと共に、満足度を上げるように心がけてもらっています。

また、数回指導を進める中で、こだわりで授業時間いっぱいを費やしてしまうことも多くありますが、描画のこだわりなどは自宅で専念してもらい、教室ではプログラミングの仕組みの方に重点を置いて教えることが出来るよう、バランスを見て指導しています。

そのようにすることで、のびのびと自分のこだわりを活かした作品制作に打ち込んでくれます。

時には異常な数値を入れて悪ふざけしたりすることもありますが、それも笑いに変える。

それを実践することで「あの先生は何でも笑ってくれるから、ほかの習い事の中でも一番通うのが楽しい」と言ってもらえたりということもあります。

 

子供がプログラミングを好きになるかは親次第

まずはプログラミング、ITを好意的に持ってもらうこと。

嫌がってやる習い事は、児童のためにはなりません。

パソコンを触ること、プログラミングを好きになってもらうことが私たちプログラミング講師の一番の目的であると思っています。

 

しかし、まだまだ地方ではプログラミング自体一般的でなく、保護者自身も得体のしれないものというイメージを持っていることがよく聞かれます。

不特定多数が参加可能なイベントなどでも、子が興味を持っているのにも関わらず、「あんたにはまだ早い」と子の手を引っ張り、早々とその場から退散するという光景もよく見てきました。

これまでプログラミング教室を運営してきた中で一番感じることは、親のITに対する苦手意識が強いことです。

親が国が必修化までしてやる意義がよくわからない。

実際には将来ITを活かした職業が増加することから、就職に強いスキルの育成にはなるはずですが、自分がよくわからないから踏み込めない。

正直そのような親御さんに、IT教育の優位性を理解してもらうのは難しいです。

 

作品を褒める、資格にチャレンジする

しかしながら、プログラミング教育は子の個性やイメージを作品化しやすいものです。

学校のテストなどは100点を取ったとしても、そこは親も同じ学習をしてきた内容であり、あくまでも親目線で“褒める”という行為に留まります。

しかしながらプログラミングで個性を生かした作品を生み出すことは、一人の人間としての個性を“評価する”ことができます。

大半の親が辿ってきていない道だからこそ、純粋に親自身も子の作品に「すごいね」と評価することができる。

プログラミングは子の習い事として、“褒める”だけでなく、親の創造を超える作品の制作ができ、年齢関係なく一人の人格を“評価する”こともできる、子の満足度や自己肯定感を高めるための最適な学習であると言えます。

 

特に自閉症などの子は基本的に勤勉であり、特徴である“こだわり”がよい方向に向かう場合が多いです。

探求心が強く、適切に“評価”してあげることで、新たな創作に挑む意欲を増幅させ、益々作品に個性が表れていきます。

そしてITに対する好意的な好循環が生まれ、驚くような作品を生み出してくれるでしょう。

 

また、当教室ではそういった子には積極的に資格試験を受講してもらうよう促しています。

教室や保護者だけの評価だけでない、資格取得という公の評価が加わることで、周りからの評価も高まり、一層自己肯定感をアップさせることができると考えています。

 

幼少期に自己肯定感を上げることが出来ると、将来的な心の強さを得ることができるものと期待しています。

 

プログラミングを通じて子供と日本の未来に貢献したい

厚生労働省の調査によると、昨今、日本の人口の減少とともに、自殺者も減少傾向にあります。

https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/jisatsu/19-2/dl/2-3.pdf

しかしながら、若年層の自殺者数は年々増加しています。

これは世界的に見ても日本が特化して傾向値が高く、強く問題意識を持っているところです。

 

それを改善するカギの一つが、幼少期の自己肯定感を上げることだと思っています。

そのための手段として、特にITにこだわるつもりもありませんが、前期の通りプログラミングは児童を“評価”しやすいという観点からも、積極的に学習してほしい習い事の一つです。

 

幼少期に適切に“評価”を受ける機会が作られることで自己肯定感が高まり、自身の命を大切に思う児童が増えることで、日本のネガティブな数字を少しでも減少することに貢献出来たらと考えています。

 

現在はITで収益を得る方法が多岐にわたっています。早期に才能に気づくことで、収益を得る方向性に導くことが可能になり、周りから必要とされることで、さらなる自己肯定感のアップになるでしょう。

 

まずは、特性のある子もそうでない子も、プログラミングを通して好奇心を育んで新しい作品作りに挑戦し、どんどん自信をつけてほしいなと思いこれからも指導してきたいと思っています。

 

Text by 三上裕司(自由研究研究所

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