• LINEで送る
カテゴリー

ゲーム作りを仕事にするために ~クライアントエンジニア編~

 

スマートフォンでプレイするゲームアプリを中心に、「アーティストとファンをつなぐ」サービスを提供する、株式会社10ANTZ。乃木坂46や東方神起など、人気アーティストを起用したゲームをリリースしています。

 

今回はその10ANTZで、クライアントエンジニアとしてゲーム制作にかかわる岩佐 和之(いわさ かずゆき)さんに、クライアントエンジニアの仕事についてうかがいました。

 

ゲーム作りを仕事にするために、子どもたちが日々の生活のなかで育むべき能力は何なのか。

 

「ゲームを作る仕事がしたい」。小さいころからの夢を叶えた、岩佐さんの今をご紹介します。

 

 

ユーザーと向き合う、クライアントエンジニアの仕事

 

 

岩佐さんは2018年2月、10ANTZに入社しました。現在はUnityエンジニアとして、新しいゲームのクライアント開発に携わっています。

 

クライアントエンジニアは、ゲームをプレイする人が操作するボタンなどを画面上に作成し、正しく機能するようにプログラミングする仕事。画面をとおして直接ユーザーと向き合います。

 

次に岩佐さんは平日、どんなスケジュールで過ごしているのかを聞いてみました。

 

■□ 岩佐さんの1日 ■□

8:30 起床 30分くらいで出かける支度をする

9:06 毎朝決まった時間の電車に乗る

9:40 出社 始業20分ほど前には会社に着くようにしている

10:00 始業 プロジェクトのスタンドアップミーティングなど
     その後は昼休憩までコーディング作業

次の機能開発に向けて仕様のレビューや、新しいプロジェクトを開始するためのキックオフミーティングが入ることも

13:00 昼食 10ANTZは始業が10:00なので、ランチはおそめ

14:00~終業まで 午後はひたすらコーディング作業をしていることが多い
         プロジェクト内のエンジニア同士の夕会に参加
         その日の進捗状況や課題などを共有

20:00ごろ 退社 勤務はフレックスタイム制なので、帰宅時間は業務の忙しさに合わせて調整している

帰宅後は、家で猫とゴロゴロするのが至福の時間

 

サーバーエンジニアの芳賀さんがそうであったように、クライアントエンジニアの岩佐さんもまた、長い時間一人でパソコンに向きあっています。

 

ブルーライトをカットするメガネやアームレストなど、体への負担を軽減するグッズを使い、長時間仕事に集中するための環境を整えています。

 

 

専門学校で学び直してゲーム制作の道へ

 

 

岩佐さんは就職活動を始めるとき、ゲームの仕事につくためにはどうすればいいかを考えました。

 

岩佐さん 「子どものころから、ゲームを作る仕事をするのが夢でした。でもこの業界は専門知識と技術がないと必要としてもらえません。そこでまずはIT企業に就職して、仕事をしながら技術を身につけて、ゲーム業界を目指すことにしました」

 

はじめて就職した会社はシステム開発を行なうベンチャー企業で、業務システムの改修、Webサイトのリニューアルに伴う“仕様書”の修正が主な仕事でした。

 

プログラムをさわることもほとんどない業務のなかで、岩佐さんは次第に「この仕事を続けていても、自分が希望する仕事ができるようになるには時間がかかりすぎる」と感じるようになりました。

 

そこでゲーム制作会社に就職するため、24歳で専門学校に入学。一日も早くゲーム業界で働きたいとの覚悟をもって退職し、勉強に集中する道を選びます。

 

若さが重視される業界において、24歳になってから専門学校で勉強しなおすことに焦りはなかったのでしょうか?

 

岩佐さん 「まわりの人からは、“年齢的にギリギリだ”と言われました。24歳から勉強をはじめても、仕事を探せるのはさらに数年先になります。ゲーム業界には才能ある若いエンジニアがたくさんいるのに、当時の自分は未経験の初心者。焦りはありました。

 

でも今ふり返ると、あの時覚悟を持って決断したからこそ、いまこうしてゲーム制作に携われているので、僕にとっては正しい決断だったと感じています」

 

専門学校を卒業後、岩佐さんはゲーム制作会社に入社。スマートフォン向けのゲームアプリの開発に携わりました。現場で経験をつんだ岩佐さんが次に選んだのが、現在の10ANTZです。

 

岩佐さん 「10ANTZを選んだのは、面接で技術力の高さを感じたからです。面接官の話を聞いて、この会社なら成長できると確信しました。面接は和やかで笑いもあり、会社の雰囲気も魅力的でした」

 

現在の岩佐さんの目標は、「この会社の技術者に、肩を並べられる人材になること」。ゲーム業界で必要とされる能力を維持し続けるために、より高度な技術を学べる環境で仕事できることは、大きな価値があるといいます。

 

 

自分の意見を伝えること、世界から情報を収集すること

 

 

プランナーやデザイナーとの打ち合わせはあるものの、基本的にクライアントエンジニアはパソコンに向かっている時間が長い仕事です。

 

「一人でコツコツ作業することは苦にならない」と話す岩佐さんですが、仕事をする上で大切にしていることをたずねてみると、こんな答えが返ってきました。

 

岩佐さん 「この仕事で大切なことは、自分の意見が言えることです。ゲームはチームで作るもの。メンバーである以上、自分自身も納得しなければいいものが作れません。まわりの人の意見を聞き、自分の意見を伝えられてこそ、いい作品は生まれてくると感じています」

 

仕事では大変なこともあるけれど、それをつらいと感じたことはないという岩佐さん。熱い議論を何度も交わしながらひとつの作品を作り上げるなかで、「これいいね!」とみんなが思える瞬間がおとずれたとき、何よりもやりがいを感じるといいます。

 

岩佐さん 「一人でゲームを作っても、クオリティを高めるには限界があります。一人の力を超えたいい作品が作れるのは、チームで取り組むからこそ。何度も話しあうことで、作品は全員の想像を超えるものになっていきます」

 

そんなチームのメンバーとなるために、子どもたちが今できることは何か聞いてみると、芳賀さんが話していた算数・数学のほか、英語も必要との答えが。

 

岩佐さん 「英語は、プログラミングのコードを書くためだけに必要なのではありません。この仕事にかかわる情報は、アメリカやヨーロッパなど海外から発信されることが多いんです。翻訳機能などを使わずに、新しい情報をスムーズに自分の知識として吸収できれば、もっと可能性は広がるだろうと感じることがあります」

 

 

楽しんで、感動する心が、夢につながる

 

 

ゲームは子どものころから好きだったものの、ボール遊びやミニ四駆、カードゲームなど幅広く遊んできたという岩佐さん。

 

学生時代は部活や楽器に夢中になった時期もありました。

 

岩佐さん 「父がベースをしていて、その影響で自分もギターを練習するようになりました。振り返ってみれば父親に似て、小さいころからコツコツ何かに取り組むのは好きだったのかもしれません。ゲームも父親が好きで、小さいころからよく一緒に遊んでいました」

 

ゲーム機のゲームから、インターネットでたくさんの人とつながるオンラインゲームまでを楽しみながら、岩佐さんはずっと「感動していた」といいます。

 

岩佐さん 「小さいころから、『ゲームっておもしろいな、すごいな、なんでこんなもの作れるんだろう』ってずっと思っていたんです。オンラインゲームで離れた場所でプレイするたくさんの人とつながれるようになってからは、顔は見られなくても、たくさんの人のいろんな意見が自分を成長させてくれました。こんなコミュニケーションツールを作れるなんてすごいと、その時も感動しました。その気持ちが今につながっています」

 

最後に、岩佐さんと同じようにゲーム作りの仕事にあこがれる子どもたちを見守るおうちの人に、メッセージをお願いしました。

 

岩佐さん 「子どもがゲームを好きならぜひ一緒に遊んで、楽しいと思う気持ちを理解してほしいなと思います。

 

今は家族単位で楽しめるゲームもたくさん出ています。できれば『ゲームは良くない』という前に、一緒に楽しんで子どもの夢を応援してほしいですね」

 

岩佐さんにとってお父さんの“楽しい”は、感動の世界への入り口となりました。岩佐さんはその世界で今日も、たくさんの人の心を動かす作品を作っています。

 

 

Text by 黒田 靜

 

 

関連記事

ページ先頭へ