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家庭ではじめるプログラミング①アンプラグドで学ぶプログラミング

 

こんにちは!子ども向けプログラミング教室“Tech for elementary(以下、TFE)”本部の澤部アイコです。

 

2020年から、小学校でプログラミング教育がはじまります。少しずつ理解されるようになってはきたものの、不安な方もいらっしゃると思います。

 

準備しておきたいと思っても、プログラミングはまだ、多くの人になじみがないものです。小学校入学前に、おうちでひらがなや足し算・引き算を教えるのとはちがう印象もあります。

 

そこで今回は、お子さんが学校でぶっつけ本番を迎えるのではなく、おうちでできるサポートをご紹介しますね!

 

もしかすると「苦手にならないように」という大人の心配とは逆に、パソコンをさわったことがなくても、お子さんはプログラミングの能力が高い可能性だってあるのです。

 

今日はパソコンもタブレットもなし。楽しみながらプログラミングにふれてください。

 

 

“アンプラグド”なプログラミングを知っていますか?

 

 

プログラミングという言葉を聞いたとき、どんなことをイメージしますか?

 

以前、TFE加盟教室の先生が行った大人向けのプログラミング教育の研修では、「パソコンで難しい文字列を入力しているイメージ」という回答がありました。

 

映画やドラマで見るプログラマーは、よくパソコンに向かって暗号のようなものを打ち込んでいますよね。

 

カッコいいというイメージの反面、たくさんの人が「難しそう、自分にはできそうにない」と感じていました。

 

実際小学校にプログラミング教育が導入されると決まったときは、「“あの”プログラミングを、すべての子どもに習得させる必要なんてない」という意見もありました。

 

ただ、今プログラミング教育を通じて伸ばそうとしているのは、コンピュータを使ってプログラミングをする能力ではなく、プログラミング的思考力です。

 

そしてその力は、パソコンやキーボードがなくても伸ばすことができます。

 

プラグ(コンセント)につなげずにプログラミング的思考を身につける、それが“アンプラグド(unplugged)”と呼ばれるプログラミング教育です。

 

ではアンプラグドはどのような方法で学ぶのか、紹介していきますね。

 

 

ご家庭で“アンプラグド”を学ぶ方法

 

 

ご家庭でアンプラグドに挑戦してみるには、

・絵本
・アクテビティ
・ゲーム(ボードゲーム)

などが簡単です。

 

絵本やゲームは子ども向けのイメージがありますが、以下で紹介するのは、アンプラグドでコンピュータやプログラミング的思考を理解する手段として、評価されている書籍やゲームです。

 

これからプログラミング教育に取り組む小学校の先生向けの研修にもとり入れられるなど、大人が理解を深めるためにも活用されています。

 

おすすめ1. ルビィのぼうけん(絵本)

 

 

フィンランド出身のプログラマー、リンダ・リウカスによる、はじめてプログラミングにふれる子どもたちを対象とした絵本。

 

前半は、主人公の女の子ルビィが5つの宝石を集める冒険のなかで、友だちとの出会いを通じてプログラミングの基礎概念を知っていく物語です。後半は、前半でふれた考え方をより深く体験するために、遊びながら学ぶ練習問題となっています。
(参考:ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング リンダ・リウカス作)

 

この本は、子どもが一人で物語を楽しむ絵本としてだけではなく、親子で読めば親のプログラミングに対する理解と、子どものより深い学びを引き出すことができます。

 

さらに評価されているのは、プログラミングをよく知る人が読んでも楽しめるところ。ルビィという主人公の名前が、プログラミング言語のRubyからきていることに加えて、ペンギンや雪ひょうなど、一見突飛とも思える登場キャラクターが、コンピュータやプログラミングに関する用語をもとにしているところも特徴です。

 

“ルビィのぼうけん”は、はじめてプログラミングにふれる子どもだけに向けたものではありません。学習の段階が進めば理解を補足する教材として機能し、プログラミングを習得した後は、自分が得た知識や技術がいかに人生を豊かにするものであるかを確かめる一冊となります。

 

協力:パソコン教室”パソノワ”(平良先生)

 

 

2.アクテビティ

 

 

プログラミングの体験教室や、初心者向けの研修などでよくとり入れられているのが、実際に身体を動かすことでコンピュータやプログラミングとは何かを学ぶアクテビティ。

 

実験的にプログラミングを授業にとり入れている小学校でも、よく実施されています。カードを使って頭の中のアイデアを見える状態で整理する、紙コップやお皿といった日用品を使って、実際の生活の中にあるプログラミングを見つけるといった活動を行います。

 

アクテビティは、プログラミングとはどういったものかを「頭ではなんとなくわかる」レベルから、体感的に理解するのに役立ちます。

 

またこのアクテビティでは、“ルビィのぼうけん”に出てくる練習問題もよく使われています。

 

TFE加盟教室の先生が行った研修でも、“ダンス、ダンス、ダンス!”を通じて、プログラミングの“ループ”という考え方を説明しました。

 

【参考】教員向けプログラミング教育導入研修~先生の不安を解消しよう~

 

息を切らしながらも笑顔で、「(プログラミングを)理解できる気がしてきた!」という参加者の言葉が印象的でした。

 

イベントなどで参加する機会があれば、ぜひ難しく考えず、気軽に楽しんでみてください。

 

 

3.ボードゲーム

 

 

ここ最近、プログラミング以外の場所でも注目されているボードゲーム。プログラミング的思考や論理的思考など言葉では説明しにくい考え方を、ゲームを通じて身につけられる点が魅力です。

 

【参考記事】パソコンなしでプログラミング的思考は身につく?世界のボードゲーム7選

 

さらにボードゲームの魅力は、プレーする人の好みに合わせて多方面からアプローチできること。

 

男の子はカードバトルやRPGには慣れているかもしれませんが、男の子っぽいビジュアルのゲームが、女の子には魅力に感じられないこともあります。

 

お菓子や動物をモチーフにしたゲームであれば、「かわいい!」をきっかけに興味が持てる場合も。

 

また、多くのゲームが年齢に関係なくプレーできるため、プログラミング教育と意識せず、家族や友だちみんなで楽しめます。

 

 

アンプラグドの2つの役割

 

 

小学校でのプログラミング教育は、文字を打ち込むテキストプログラミングを学ぶものではありません。

 

また必ずしも、パソコンやタブレットを使って勉強しなければならないものでもありません。

 

一方でプログラミング教育に携わる人たちは、「アンプラグドはプログラミングに対する理解を深めるのに有効ではあるが、それだけでは十分でない」と言います。文部省から発表されたプログラミング教育に関する要項にも、パソコンを使った学習につなげていく必要があると書かれています。

 

そこでアンプラグドを通じて、子どもたちは何を理解するべきなのかを考えてみました。

 

1.コンピュータとは何かを理解する

 

 

コンピュータは外から見るとただの箱で、動き出しても中で何が行われているのかを見ることはできません。たとえプログラミングができるようになっても、コンピュータがどのような仕組みでプログラムを実行しているのかはわからないのです。

 

プログラミングを学ぶ前に、アンプラグドを通してコンピュータが実行する処理がどのようなものかを体感的に理解していれば、コンピュータを「命令で動く箱」から、「自分で何かを作り出せる道具」と認識できるようになります。

 

のちにコンピュータに向き合ったとき、子どもたちはすでにコンピュータは操作を覚えるだけのものではなく、操作を覚えれば何かを生み出せると理解して学習をスタートできるのです。

 

2.コンピュータ的思考とは何かを理解する

 

 

コンピュータは物事を整理し、順序立った命令をすることで動きます。

 

例えば人間にとって歯磨きが「歯ブラシで歯をみがくこと」であっても、コンピュータには「コップに水をくみ、うがいをし、歯ブラシに歯磨き粉をつけ、右上の奥歯からみがきはじめる…」といったように、一連の動作を順序正しく認識させることが必要です。

 

アンプラグドでは、すべての物事はゼロからはじまること、全体は小さな一つひとつの部分から構成され、順序にそって並べられていることを体感的に学べます。

 

コンピュータであれ人間であれ、共に作業を進める相手に理解してもらうためには何が必要かを、自然に考えられるようになります。

 

専門的な能力の前に、コンピュータを使えば何ができるのか、その能力を引き出すにはどのような考え方が必要なのかを学べるのがアンプラグドです。

 

今回ご紹介したもののほかにも、アンプラグドでプログラミングを学べる絵本やゲームや教材はたくさんあります。

 

コンピュータを使ったプログラミングを少しでも負担に感じるときや、低年齢でもプログラミングをはじめてみたいという方は、ぜひ親子で楽しんでみてください。

 

そこには世界と未来へつながる入り口があります。

 

 

Text by 黒田 靜

 

 

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