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地元スーパーで大型プログラミングイベントを開催

 

2019年4月12日、Tech for elementary(以下、TFE)では、北海道函館市でプログラミング教室”自由研究研究所”を運営する三上裕司先生を講師にお招きし、オンラインセミナーを開催しました。

 

タイトルは「企業イベントセミナー」。

 

2019年3月に地元企業と提携し、スーパーで開催した大型プログラミングイベントについてお話しいただきました。

 

 

運営教室について

 

まず三上先生が運営する、自由研究研究所についてご紹介します。

 

自由研究研究所では

・楽しく”仕組み”を理解すること

・問題解決力と創意工夫ができる力を伸ばすこと

・新たなチャレンジへ挑む思考を伸ばすこと

をコンセプトに、最大5名までの少人指導でプログラミング教室を運営しています。

 

教室では

・はじめてのプログラミングコース

・ジュニアプログラミング検定対応コース

・プログラミングドリルコース

・Scratch上級コース

・マイクラでプログラミングコース

・映像クリエイターコース

・タブレットプログラミングコース

を開講。

 

この他にも、長期休暇中の特別カリキュラムや出張イベントなど、多くの魅力的な企画を実現しています。

 

 

イベント概要

 

 

開催日:2019年3月24日(日)

場所:イトーヨーカ堂函館店(売場活性化と地域貢献を目的にフードコート横を無償提供)

参加条件:ひらがなが読めること

参加費:500円

定員:80名

提携企業:ハコレコドットコム株式会社(地元IT企業)、株式会社ロカラ

講師:三上先生+ハコレコドットコムから3名、ロカラから1名のサポート

 

内容:
(1)ドローンプログラミング体験

1回30分 定員4名 10回実施

内容:教育用ドローンをScratchでプログラミングし、飛行させる

 

(2)ロボット(Thymio)プログラミング体験

1回60分 定員8名 5回実施

内容
①除雪体験

Thymioを除雪車に見立て、発泡スチロールを砕いて作った雪を自動で除雪するプログラムを作成

②魚釣り体験

プールの中で泳ぐ魚を、上下を逆にしたThymioの車輪の巻きを利用して釣り上げるプログラムを作成

 

集客の“キモ”は参加条件と駐車場

 

 

早い段階での告知ができなかったため、三上先生は開催11日前の3月13日に教室のホームページ(以下、HP)とSNSでイベント情報をアップし、HPのみで予約受付を開始しました。

 

告知から3日目には、50名の参加申し込みを獲得。HPやSNSからの情報より、教室へ通う保護者から知人への口コミ、あるいはプログラミング教室以外の場所でつながった人からの拡散効果が高かったのではないかと考えています。

 

また地元のお出かけ情報をまとめたWebサイトにも、イベント情報の掲載を依頼しました。

 

函館では休日に出かける場所を探しているファミリーが多く、このサイトからは20名ほどの集客がありました。仕事の休みが多い日曜日に開催したことも、集客を後押ししたようだと三上先生は感じています。

 

また、小学生を対象としたドローンプログラミング体験に幼児が問題なく参加できた経験から、三上先生はイベントの参加条件を小学生以上にする必要はないと考えていました。

 

そこでScratchでのプログラミングにあわせ、「ひらがなが読めること」だけを条件にしたところ、申し込みにつながる問い合わせが増えました。「まだ小さいが、ひらがなが読めるだけで参加していいのか」といった質問も何件か寄せられています。

 

さらに会場となったイトーヨーカ堂には、買い物客のための広い無料駐車場が完備されています。車社会の函館ではイベント会場を借りても、有料の駐車場しかない場所や、駐車場探しが難しい場合は集客がうまくいかないことがあります。

 

今回は駐車場問題がクリアできたことも、スムーズな集客につながりました。

 

 

ドローンプログラミングの秘密兵器とバッテリー対策

 

 

ドローンを使用するイベントでは、安全対策に高い関心が集まります。

 

三上先生の場合はドローンプログラミングのために、2m四方のアクリル製のブースを制作していました。

 

参加者の安全確保に加えて、急上昇して天井にぶつかり、落下して破損することも避けられたという秘密兵器。このブースがあれば、これまでより狭いスペースでも安全にドローン講習を実施することが可能な上、近未来的なビジュアルは会場の近くを通る人へのアピール力も抜群です。

 

ただアクリル板は高額で、特注ブースの制作には材料費を含めて20万円ほどかかっています。

 

また、今回のイベントでもドローンは予約が一番に埋まるほど集客力の高い教材ですが、弱点はバッテリーが長くもたないこと。

 

三上先生は4機のドローンに対し、8個のバッテリーで対応しました。連続13分の飛行に必要な充電時間は2時間。途中にインターバルを挟むのであれば問題ないものの、この日は連続して10回の体験会を実施しています。

 

バッテリーが50%を下回ると、ドローンの大きな魅力である宙返りもできなくなります。マウスの操作方法やScratchを学ぶ時間を組み合わせるなど、バッテリーの管理には細心の注意でのぞみました。

 

 

Thymioによるロボットプログラミング

 

 

ドローンの他には、TFEが販売するプログラミング教育向けロボット“Thymio(ティミオ)”を使用したコースが設けられました。

 

2年前に大雪で除雪が間に合わなくなった経験から、函館では市民の除雪への関心が高いことに着目。Thymioと互換性のあるレゴを使って組み立てた除雪車を、自動で動かすプログラムを作りました。

 

 

観光名所の五稜郭などを描いた地図を用意し、その周りを除雪するプログラムを想定していたものの、子どもたちは地図そっちのけで雪に見立てた発泡スチロールを押すことに夢中になっていました。それでも、子どもたちがITを楽しむ姿を保護者の方にも見てもらえたことは、大きな意義があったと三上先生は感じています。

 

また、ロボットプログラミングではThymioを裏返し、タイヤの回転を使った魚釣り体験も実施しました。

 

水を入れたプールの上に穴を開けたアクリル板を置き、Thymioを設置。車輪につけた糸を穴から垂らし、プールの中を泳ぐロボフィッシュを釣り上げるプログラムを作りました。

 

 

申込みの段階でドローンほどの集客力はなかったものの、イベント当日、子どもたちが一番楽しそうにしていたのがこの魚釣り体験。水に浮かんでいるだけでなく、本物の魚のように水中を泳ぎまわるロボフィッシュも盛り上がりに貢献しました。

 

Thymioを使用する際の注意点は、誰もが見ただけで理解できるほど設定が簡単ではないこと。イベント限定のサポーターや、普段とは異なる環境で使用する場合は、あらかじめ設定方法や操作に慣れておく方がいいと三上先生は感じています。

 

 

まとめ~地元企業とのつながりを重視した教室運営へ

 

 

今回のイベントで提携したのは、三上先生がプログラミング教室以外で手がけているWeb制作や、以前から関わっていた畜産関係の仕事でつながっている地元企業でした。

 

函館の人口は10年前の30万人から、今では26万人を下回るほど激減しています。30年後にはこの半分、13万人になるだろうとの予測も。地元企業には「なんとかしたい、でもどうすればいいかわからない」との思いがあると三上先生。

 

「地域のIT技術を高めて人材を育てなければ、街の将来はない」と危機感を抱く企業は多く、三上先生はプログラミング教室の立ち上げから、同じ思いを抱える企業と共同で何かしたいと考えていました。

 

会場となったイトーヨーカ堂もまた、人口減少の影響を受け、集客に苦労していた企業のひとつです。

 

 

子どもたちのために、企業の新たな活路を開くために、そして函館のために。Win-win-winを目指して企画された大型イベントは、最終的にスーパーの売上にも貢献し、たくさんの人にITの可能性を感じてもらえたのではないかと三上先生。

 

「今後も幼児から大人まで気軽に参加できるエンターテイメント性の高いイベントを企画し、保護者にも子どもたちにも『パソコンがあれば面白いことができる』という意識を育んでいきたい」と締めくくりました。

 

三上先生、貴重な体験をシェアいただき、ありがとうございました!

 

 

Text by 黒田 靜

 

 

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