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学習塾・プログラミング教室でのPepper導入事例

 

2019年4月5日、Tech for elementary(以下、TFE)では、東京都あきる野でチャレンジ学習塾”を運営する戸高礼司先生を講師にお招きし、「Pepper活用セミナー」を開催しました。

 

Softbankが手がける人型ロボット”Pepper”の、教室での活用法やメリット・デメリット、学習塾やプログラミング教室への集客効果についてもお話しいただきました。

 

運営教室について

 

戸高先生が運営するチャレンジ学習塾は、「勉強の方法がわからない小中学生が、たのしく勉強ができるようになるにはどうすればいいか」をテーマに様々な学習方法を工夫しています。

開講コースは以下の通り。

 

【小学生】

・算数、国語を中心とした学習塾

・TFEのプログラミング教室

・ヒューマンアカデミーの教材を使用したロボット教室

・作文教室

 

【中学生】

時間無制限の学習コース

 

今回ご紹介するPepperプログラミング教室は、2018年11月からスタートしました。

 

 

Pepperプログラミング教室の概要

 

 

・対象年齢:未就学児~小学3年生くらい

・授業料:5,400円(税込み)

・開催日:隔週木曜日15時から16時

 

・内容

ロボット・プログラミングツール”Robo Blocks”をパソコンで操作し、Pepperの動きをプログラミングする。

 

単元の内容

・しゃべるのと同時に動くようにしてみましょう

・センサーを使おう

・音センサーで会話しよう

・ディズプレイに絵を出してみよう

・一緒に発表しよう

・音の方向と人間の顔を追跡しましょう

・LEDを変えてみましょう

・同じ動作を繰り返しましょう

など、全15回程度。

 

”Robo Blocks”はScratchと似たブロック形式のプログラミング言語で、幼稚園児でも操作可能です。レッスンは講師が説明しながら進めれば、未就学児や小学校低学年でも十分理解できています。

 

Pepperでできることは限られているので、内容に物足りなさを感じ始めた生徒には、ロボットやTFEのプログラミング教室を案内しています。

 

チャレンジ学習塾では、ブロックやScratchのプログラミング教室を塾と同じ時間帯で実施していますが、Pepperは音が出るので違う時間帯に開講しています。

 

 

Pepper概要

 

Pepperを教室で使用するための契約は次の通り。

 

セット内容:

・Pepper本体

・ロボット・プログラミングツール”Robo Blocks”

・教師用指導書(学校向けには、教師用指導書および生徒用ワークシート、学校向けアプリが含まれる)

 

貸出期間:3年間(固定)

使用料:Pepper1台あたり20,000円(税抜)/月

諸費用・手数料・保証金:なし

稼働時間:フル充電状態であれば4~5時間

サポート:コールセンターがあり、わからないことは丁寧にサポートしてもらえる。不具合による基本的な修理代は月額に含まれている。

ネットワーク環境:
教室にあるWi-Fiのルーターを経由し、通信している。プログラムはパソコンからアップロードし、Pepper本体でリロードする必要がある。Pepper1台に対し、同時に接続できるパソコンは基本1台のみ。

プログラミング言語(Robo Blocks)について:
Scratchと同じブロック形式の言語だが、ひらがなのみの表記はない。チャレンジ学習塾では漢字が読めない年齢の子どももPepperのクラスを受講しているが、特に問題はない。

ローマ字について:
Pepperをしゃべらせるには、言葉をプログラミングしておく必要がある。チャレンジ学習塾の受講生の多くはローマ字を習っていないが、「Pepperをしゃべらせたい」一心で習得する。

 

 

Pepperのメリット・デメリット

 

 

◎戸高先生がPepperに感じているメリット

 

①話題性が高い

知名度が高く見栄えするので、「Pepperがいる塾」として認知してもらいやすい。チラシ等に掲載すると集客力も高い。

 

②プログラミングの入り口として興味を持ってもらいやすい

プログラミング教育が「何をするのかわかりにくい」と言われるなか、「Pepperを動かすために必要な知識を学びます」と説明すると理解してもらいやすい。保護者も何をするのかが把握できるので、入会へのハードルが下がる。

 

③開発がSoftbankであることで、保護者からの信頼が得られやすい

ITにも力を入れている大手企業が開発した教材であることで、保護者から信頼してもらいやすい。カリキュラムや教本も整っているので、安心して入会してもらえる。

 

④低年齢の子どもたちにアプローチできる

プログラミング教室や塾ではアプローチすることが難しかった、未就学児との接点を持つことができる。

 

⑤プログラミング教室や学習塾への入会につながりやすい

Pepper教室からプログラミング教室へ、あるいは就学後の塾入会につながりやすい。

 

⑥ローマ字や漢字を子どもたちが積極的に学習する

Pepperにしゃべらせたい一心で、子どもたちはローマ字も漢字も必死で覚える。戸高先生は「Pepper最大のメリット」とも話す。

 

⑦プログラミングの醍醐味を体感できる

大きなロボットが自分の思い通りに動くという、プログラミングの醍醐味を体感できる。

 

 

◎Pepperに感じているデメリット

 

①受講者を確保できなければ採算が合わない

長期に受講生を確保できるカリキュラムではない一方、月々の使用料は2万円で3年間は固定される。継続して一定数以上の受講生を確保できなければ、Pepper単体で考えた場合は赤字になってしまう。

 

②教室の外で使用できない

Pepperは水に弱く、教室外への持ち出しは禁止されている。ビラ配りやイベントに使用できれば、集客力アップも期待できる。

 

③3人以上の同時受講は難しい

受講生が低年齢であることや、パソコン1台につきPepper1台での使用となることから、1クラス3人以上の受講は難しい。人数を増やすのであれば、待ち時間の工夫や講師を増やすなどの対策が必要。

 

④契約までのSoftbankの対応

他地域の塾経営者の話を聞いても、契約までのSoftbankの対応に不満を持っている人は少なくない。内容を見極めた上で、契約のためと割り切る必要がある。契約後のサポートは充実している。

 

⑤学習が進むとカリキュラムに物足りなさを感じる

カリキュラムは全15回程度で、そのうち直接的にPepperの動作に関わるものは10回ほど。終盤になるとあえてPepperで学ぶ必要は感じなくなる。このタイミングで次のステップとなるプログラミング教室の受け皿があれば、Pepperは幼児向けの導入教材として非常に優れている。

 

 

まとめ~新しいことへの取り組みとして~

 

チャレンジ学習塾は小中学生の学習塾をメインとし、TFEのプログラミング教室やブロック教室を併設しています。

 

どれほど真剣に子どもたちの能力を伸ばす取り組みを行っていても、地域にたくさんある学習塾の中から、あえて選んでもらえるほどの特長を広く浸透させるには時間がかかります。

 

プログラミング教室も、子どもたちがすでに抱えるたくさんの習い事のひとつに、新たに食い込んでいくことは簡単ではありません。

 

一方Pepperは、単体で考えると収益性の高い教材ではないものの、より幅広い年齢の子どもや保護者の方に塾のことを知ってもらうには、非常に効果的な広告であると戸高先生は感じています。

 

新しいことを取り入れ、楽しみながら子どもたちの能力を伸ばせる塾として、地域での認知が広まった効果は大きいと戸高先生。現在、集客のために費用や手間はかけていませんが、教室の生徒は少しずつ増えています。

 

Pepperそのものだけでなく、新しい取り組みに意識を向けること、教室全体からの視点で認知や集客を考えることを学べたセミナーでした。戸高先生、ありがとうございました!

 

 

Text by 黒田 靜

 

 

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